キミが泣くまで、そばにいる
差し出されたスマホを覗き込んだ瞬間、カシャリ、と音がした。
「ふぬ!?」
「わーい、撮れたぁ」
レミが嬉しそうにスマホを操作する。
「これで夏休み、ちーちゃんに会えなくても寂しくない」
「ちょ、何撮ってんですか」
「これ♥」
ふわっと美少女の笑みを浮かべて、レミが画面を見せる。あまりのおぞましさに、めまいがした。
完全に気の抜けたマヌケ面。下から写されている分、鼻の穴が目立ってさらにひどい。
「レミさんは、私のアホショットを集めて何がしたいのかな?」
無理に笑顔をつくりながらスマホを奪おうとすると、彼女は「うふふ」と笑いながら身をかわした。
「ね、それよりコレ見て~。昨日のテレビでやってたんだけどね」
そう言ってレミが差し出した画面には、占いのアプリが映っている。