キミが泣くまで、そばにいる
「はち、なな」
「……わかった」
「ろく、ごー」
「!? わかったってば!」
「よん」
「え!? 待って! わかったって言ってるのに」
「にー、いち」
止まらないカウントダウンに焦って両手を振り回す。
「ちょっと、まっ、ちょおお」
アカツキは笑顔のまま「ゼロ」を唱えた。
それから、
「――いち、にー、さん」とふたたび数をかぞえだす。
「ふふふ増えたァァァ」
衝撃を受けていると、目の前で整った顔が「ぶはっ」と吹き出した。
「あはははその反応! やっぱ知紗おもしれー」
「ちょ……」
声を失う私に、アカツキは教室のときのように無邪気に笑う。
「ごめんごめん、ちょっとふざけてみた」
「な……なんですとぉ……」
私は脱力してその場に崩れ落ちた。