キミが泣くまで、そばにいる


ふざけてみた、じゃないんですけど……!
 

こっちはもうアップされちゃうんじゃないかって、生きた心地がしなかったのに。


「でもまあ、これで交渉成立だな。今後、俺の言うことは最優先事項として扱ってくれる?」

「交渉……?」
 

脅迫の間違いじゃないでしょうか。
 
不満が顔に出たのか、アカツキの顔に真っ黒な笑みが浮かんだ。


「あれ? 黙ってて欲しいんだよね? センセーとのこと」
 

端正な顔いっぱいに広がった恐ろしい微笑みに、私は成すすべもなくひれ伏す。


「お願いします。お黙りください」
 

ぽかんとするアカツキを見て、私ははっとした。 

あれ、なんだかニュアンスが違う。
『黙っててください』を丁寧に言おうとしたのに!

慌てて続ける。


「お黙りいただきたい!」

「ふくっ……」
 

アカツキは口元に手を当てて奇妙な声を漏らした。
 
あれ? 敬語って難しい!

いっぱいいっぱいになった私は、自販機の前で土下座したまま叫んだ。


「おおお、お黙りなさい!」

「ぶはっ」
 

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