キミが泣くまで、そばにいる
2 泣くことになるよ?
私が通う朝比奈高校は、県内ではちょっとした進学校だ。
中学3年の時点で全国平均を下回っていた私が合格を勝ち取るには、それはそれは大変な努力が必要だった。
そしてぎりぎりでこの学校に滑り込んだ結果、日々難しくなる授業についていくのが精一杯です。
「レミ、今日の数学のノート、写させてぇ」
「あー、さっき別クラスの友達に貸しちゃった。戻ってきてからでもいい?」
ざわざわと賑わう昼休みの教室で、レミはお弁当の包みを開く。
「ちーちゃん、数学の時間、寝てたの?」
「起きてたよぉ。でも先生の板書に追いつけなくて」
「あー多田セン、消すの早いもんね。うちのクラスも佐久田センセーがよかったなぁ」
レミの言葉にドキッとした。