キミが泣くまで、そばにいる
「だ、だよね。ごめん変なこと聞いて」
「レミの秘蔵コレクションに加えるだけだから、安心して?」
「……秘蔵コレクション?」
「うん、これ♡」
レミのスマホには、『ちーちゃん』と名付けられた不吉なアルバムフォルダが作られていて……。
「な、なんですかこれはぁぁ」
そこには驚くべき画像が大量に並んでいた。
授業中によだれを垂らしながら居眠りしている私だったり、ごはんを口に詰め込みすぎてむせている私だったり、ジュースをこぼして慌てている私だったり……。
目を覆いたくなるほどの恥ずかしい姿に、すかさず画面をタップする。
「さ、削除ぉぉ!」
「わーやめてやめて! レミの宝物なんだから!」
「たから……もの?」
レミの叫びに耳を疑った。彼女はスマホをひったくり、訴えるように私を見る。
「そうだよー。ちーちゃん楽しいもん。落ち込んだときとか、この写真見てるだけで元気がこみ上げふふふふ」
「こみ上げてんの元気じゃなくない? 笑いが込み上げてない?」