キミが泣くまで、そばにいる
「私、セイの言うことを聞く義理はないんですけど……」
口を尖らせながらも、大人しく受け取ってしまう。紙袋には、ラッピングされた大小のプレゼントがぎっしり詰まってる。
「なに、これ?」
「プレゼントだよ。俺、今日誕生日だし」
そこまで言うと、セイははっとしたように私を見下ろした。
「いらないからな!」
「あげないからっ!」
ていうか用意してないし! 誕生日とか今はじめて知ったし! むしろ前から知ってたとしても誰がセイなんかにやるもんかぁぁ!
と、声に出して言えればすっきりできるのになぁ。
セイの気分を害したら、彼と中学からの友達だというアカツキの機嫌も損ねそうで、私はしぶしぶセイにも従っている。
クスクス笑っているアカツキを横目で見る。
見た目が完璧で、頭もいい微笑み王子に、弱みなんてあるのかな。
セイの金髪とアカツキのアッシュブラウン。派手な頭のふたりを追って廊下を進んでいると、カバンの中でスマホが震えた。
届いたメッセージに、私は足を止める。