キミが泣くまで、そばにいる


「じゃ、知紗。用事終わったら来いよ」

「う、うん」

「なんだよアカツキ、じゃあお前が持てよ」

「自分がもらったプレゼントだろー。だいたい俺、箸より重いもん持ったことないから無理」

「てめー今(箸より重い)カバン持ってんじゃねーか……」

 小突きあいながら歩いていくふたりの背中を見ながら、私はふうっとため息をついた。

 びっくりした。
 まさか、アカツキが味方になってくれるとは思わなかった。


 イケメントップ5のなかで、頂点でありリーダー的存在なのは間違いなく星野彗だ。

 そもそも、クラスも違えば接点もないはずの彼ら5人を集めてグループを作り上げたのは、セイなのだという。

 絶対的美貌を持つセイだけど、ひとりでいるよりもアイドルグループみたいにイケメンが揃っていたほうが、女の子が寄ってきやすい。

 そんな理由から、入学後、学年のなかで特にルックスのいい男子に声をかけ、今のイケメントップ5が出来上がったらしい。

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