キミが泣くまで、そばにいる
 
派手目な女子グループからも一目置かれているレミは、たぶん、このクラスで一番可愛い。

席が前後ということで仲良くなったけれど、派手でもなければ地味でもなく、目立つ要素なんてない平凡な私とは、本来違うグループにいるべき人間だ。

身長も体重も平均の私と比べて、レミはとても華奢だし、

ゆるりとした口調とサラサラロングヘアの清純ぽい見た目は、そのへんのアイドルよりもよっぽど可愛いから、当然ながら男子の視線を集める。

だけど実は、そのおっとりした雰囲気からは想像もできないくらい、レミはマイペースな性格だったりする。
 

「ああ、この卵焼き、ネギが入ってなーい! 細かく刻んで入れてっていつも言ってるのに、ママってばもう」


微笑み王子よりもネギのほうに関心があるレミからそっと目線を外し、私はふたたび窓側を見た。


線の細い身体に、ほどよく着崩した制服、黒く光るピアス。

顔が整った人間にしか許されないような、おしゃれな髪型。


ふうん、あの髪の色、アッシュブラウンていうのかぁ。


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