キミが泣くまで、そばにいる
「出たよエリートくん。レオは教科書読んでるようで実はトリップしてるだけだけど、アカツキは――」
「なートワ、これどう思う? ひどくね?」
セイが横から暴力的な勢いで肩を叩き、トワくんの鼻にストローが突き刺さった。
「いってえ! なんだよセイ! 急に叩いてくんじゃねーよ!」
「俺という男がいるのに別の男と一緒に飲みに行くとか、どうなわけ? なあトワどう思う?」
スマホの画面を見せながらセイがまくしたてると、トワくんはうんざりしたようにソファにもたれた。
「はあ、またアヤカさん? 気になるなら直接訊けばー?」
「『セイくんはまだ未成年だから飲みに行けないじゃーん?』とか言って、完璧ガキ扱いすんだぜ。そのくせ『若いから体力あるでしょ』とかいって夜もなかなか開放してくんねーし」
セイは怒った顔から一転、頬をニヤけさせた。
「愚痴んのかノロケんのか、どっちかにしろよ……」
疲れたように言うトワくんに、セイはマシンガンのごとくしゃべり立てる。