キミが泣くまで、そばにいる
セイは目立ちたくて彼らを集めたらしいけど、むしろ5人が集まることでそれぞれ魅力を打ち消しあっているんじゃないかと思った。
それとも、近くにいすぎて私の目がおかしくなってただけで、彼ら5人は、常にとてつもない輝きを放っているのだろうか。
……慣れって恐い。
周囲に怪しまれないようにバスの時刻表を見るふりをしながら、アカツキを目で追う。
彼はスマホに落としていた目を時折駅のほうに向けるだけで、もう10分近くその場に佇んでいた。
誰を待ってるんだろうと考えて、思いつく。
もしかして……彼女とか?
女子大生と現在交際中のセイと違って、ほかの4人の彼女話はあんまり聞いたことがない。
取り巻きやファンに囲まれ、告白されることも日常茶飯事な彼らは、女遊びが激しそうに見えて意外とそうでもないらしい。
いちばん女の子にだらしないセイですら、特定の彼女がいるあいだは浮気しない主義だとか。
いつだか彼らが話していた内容を思い出す。