鬼神様と××しました
源喜さんを真っ直ぐ見つめ、力強く言う私。




「わかってる…お前は下がってろよ…」




私返事をする前に、源喜さんは刀を持ち、辰彦めがけて走って行く。しかし…




「クソっ……」


私に化けた辰彦を目の前にすると、振り下ろした刀が止まってしまう。

それを数回繰り返したあと、息を切らした源喜さんが、戻ってきた。




「ハァハァ…お前……離れてろって言ったろ…」

「で、でも源喜さんが心配で…」

「クッソ…あいつをいつでも刺せる準備は出来てんのに、目の前に行くとどーしても手が出ねえ…」


悔しそうに、舌唇を噛む源喜さん。




「もう一回!もう一回やってみて!」

「…………」


私がそう言うと…源喜さんはまた刀を持ち、辰彦の元へ…

でも、また同じように手が出ずに、悔しそうに戻ってきてしまう。
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