鬼神様と××しました
「ああ…しかも、あいつ(辰彦)は水を使う龍だ。火を使う俺の能力とは、対照的。でも、お前なら勝てるかもしれない…」

「………!」


私の水の能力で…

辰彦に勝つってこと…?



「それにお前に変幻してても、お前が相手なら、俺みたいに怯むこともねえだろ」

「ま、まあ…」


それは、そうだけど…

辰彦が化けた私を見ても、どうも思わないけと…でも…




「私に勝てる?」


全然自信なんてないよ…




「勝てる。現に今、お前の能力であいつはダメージを負ってるだろ」


ボール状の水の中で、苦しむ辰彦。


それは誰が見ても、こちらが有利な状態だった。

木に避難しているお父さんを見ると、お父さんも次の攻撃で決めろと言っているように、私を見つめていた。




「少し休めたし、俺ももう動けるぞ…」

「…!」


木にもたれかかっていた源喜さんが、体をゆっくりと起こした。




「傷は平気なんですか?」

「ああ…」


肩と胸の傷を見ると、血は止まっていて、傷口も半分は塞がっていた。
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