鬼神様と××しました
「…ったく・・由希ちゃんがいなかったら、本当に危なかったのよ?源喜、あんたはいいお嫁さんをもらったわね」




百合さんは源喜さんにウィンクしたあと、私に近づいて肩を抱いてくれた。




「あ…私の名前……」

「知ってるわよ♪あっち(天国)で、いつもみんなを見てるもの!由希ちゃんのことは、初対面じゃないみたいだわ」


いつも見守ってくれていたんだ…


ちらっとみんなを見ると、來さんや純麻くんの目は、うっすらと涙が溢れていた。




「來、純麻!あらあら、双樹と彩芽と大はまだ起きないのね…」


今度は來さんたちがいる方へ行き、百合さんは力強く、息子たちを抱きしめていた。

來さんたちの、息を殺して泣く声が聞こえてきて、我慢出来ず私も泣いてしまった…

隣にいる源喜さんが、そっと抱きしめてくれた。




「みんなごめんね…こんなに早く死んじゃった母さんを許してね…」


百合さんは泣きながらそう言って、しばらくし息子たちと話したあと、そっと静かに離れた…
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