鬼神様と××しました

「あなた……」


百合さんが振り向き、お父さんの元へやって来る。

そしてお父さんの頬を両手で優しく包み、話し始める百合さん。




「向こうで、ずっとあなたを見てたわ…あなた……ずっと抜け殻のようだったでしょう…私も見ていて、辛かったわ……」

「百合…」


お父さんは、百合さんの腰に手を回した。



「もう成仏してしまったのかと思っていた……」

「フフ、成仏はまだしないわ。それも神と交渉済よ♪」

「……そうなのか?」


目を丸くするお父さん。




「ええ。あなたがこっちに来るまで、待つわ…そして、あなたと天国で少しばかり遊んで……あなたと一緒に成仏するつもりよ…そして・・」


百合さんが、お父さんをじっと見つめる。





「あなたと生まれ変わって……また結婚するわ…」

「………!」


お父さんは少し驚いたあと、すぐに優しく微笑んだ。




「どこにあなたがいようと…必ずみつけだす……来世では必ず、もっと長い時間あなたと一緒にいましょう。だから……お願い…もう私のことで、悲しむのはやめて…」
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