鬼神様と××しました

龍之介さんの、表情が曇る。




「辰彦は、百合さんを殺した人間だと、その時初めてわかったんだ……」


！！


苦しい表情を浮かべる、龍之介さん。

お父さんと源喜さんは、黙ったまま龍之介さんを見ていた。





「気がした時は、もちろん遅過ぎた…俺はすぐに辰彦を拘束しようとした…でも、それに気づかれて逃げてしまったんだ……そしてすぐ…お前たち鬼一族を襲った……悪魔と契約を交わし、変わり果てた姿で…」


目に涙を浮かべる、龍之介さん。そして、その場で土下座をして、深く頭を下げた。





「すまなかった、絆次郎……っ！昔からの親友である、お前の最愛の妻を殺した男を…俺はっ……俺は……」

「…顔を上げろ、龍之介。謝るなんて、性じゃないだろう…」


！

お父さんは龍之介さんに近づいて、傷をかばいながらしゃがみ込んだ。




「お前が謝ることではない。全ては…辰彦が悪いんだ………」

「絆二郎…」


お父さんは、死んだ辰彦の死体をじっと見つめる。




「俺は百合が死んでから…使い物にならなかった……死んで、百合のところに行けたらなぁ…なんて……本気で思ってた…」


お父さん……