16歳の迷子ちゃん
「なわけないない」
あたしが美少女で噂になるなんて。
まず第一、当の本人が知らないなんておかしいでしょ(笑)
慌てふためくあたしを見て3人は笑った。
「ま、いいか!それよりさ、ちょっと俺友里先輩のとこ行ってこようかな~」
「えっなにいってんの拓真」
「コイツ積極的だから仕方ないんだよ」
拓真は目をキラキラさせて友里先輩を見ていた。
...本気モードらしい、廉いわく。
「...あーもう!やっべぇ可愛い!俺ちょっくら行ってくる!」
「ちょっ拓真!」
沙良とあたしでとめたけど、拓真一直線。
友里先輩のもとへむかった。
するとなにやら友里先輩と笑顔で会話してる。
「すっご...いね、」
「ね!廉、拓真って昔からあーなの?」
「うん。入学式のときだってお前らに話しかけたじゃん」
「あっ確かに!」
「あれ、拓真が言い出したから」
「そうだったんだ...」
沙良と廉がそう話す中、あたしは
突然来た拓真に笑顔で振舞う友里先輩に夢中だった。
笑うときに口を両手で隠すしぐさとか
拓真の話に笑顔で手を叩いて笑う仕草とか
なんかすっごく綺麗で、思わず見とれてしまう。