16歳の迷子ちゃん
それからしばらく先輩と5人で話してたけど
あたしは緊張プラス、
先輩のしぐさとか手の動きとかすっごく綺麗で
ずっと見とれていた。
たまに「実紅ちゃんは?」
ってあたしのことを気にかけてくれる優しさも全て
パーフェクト。
こんな完璧な人いるんだってびっくりしちゃうくらい。
あたしはこの短時間で、友里先輩のファンになっていた。
「じゃあまたねっみんな」
そして友里先輩が戻ったあとも、
いい香りと澄んだ空気の余韻にあたしは
ぼーっとしていた。
「じゃあそろそろ帰るか」
仕度をして店をでると、いつもはあたしと沙良と廉が同じ方向だから
3人で帰るところ、今日は沙良が
拓真の横に立っていた。
「拓真、あたしお兄ちゃんの誕生日あってプレゼント買わないといけないの。店そっちだから、ちょっと付き合ってもらっていい?」
「あっりょーかい!んじゃ、明日な!2人とも」
「ばいばいっ実紅!ごめんね~」
「あっうん!!」
2人が行くと、廉と目が合った。
「んじゃ、帰るか」
「うんっそうだね」
あたしと廉はいつもの帰り道を歩き出した。