16歳の迷子ちゃん
「ま、ブスじゃないけど俺は実紅とかのほうがいいかなー」
「そっか~...ん、へっ?!?あっあたし!??」
あたしがびっくりして立ち止まると
「どうかした?」と
不思議そうに廉もあしをとめた。
「えっえっ、今『実紅』って」
すると廉は動揺して鞄を落としたあたしに近寄って
あたしの鞄を持つと
「実紅とかみたいな素直な感じが俺はタイプ」
そして歩き出した。
...ドキッ。
なんで、なんで。
今まで普通の男友達だったのに
そんなこと言われたら変に意識しちゃうよ。
...どうしよう...どきん。
ちょっと前を歩く廉の後姿は
相変わらずだけど、あたしの目には
なんかいつもより男らしくかっこよくみえた。