16歳の迷子ちゃん
「えっ友里先輩じゃん!!」
「あっほんとだ!!友里せんぱーい」
たくさんの生徒をかけわけて
あたしたちの教室に入ってきたのは、
ゆり先輩と...
「えっ!!」
まぎれもなく、王子様だった。
王子様はあたしの顔を見ると「あっ」と声をあげて
友里先輩に並んでついてきた。
「おはようっみんな!来ちゃった♪」
「いやいやいや!感激っす!まさか俺らのところまで来てくれるなんて!」
「ほんとう嬉しいです!友里先輩っ」
今日も可愛い友里先輩に、
沙良と拓真は夢中。
そんな中....
「お前、本当に1年だったんだな」
「えっ...はい」
王子様があたしを見てそういった。
...ドキドキ。
やばいっあのドキドキがよみがえってきた。
するとそんなたしたちをみて、
友里先輩は王子様に肩にその細い華奢な手をかけた。
「えっなになに?俊(しゅん)実紅ちゃんと知り合いなのっ?」
『俊』....っていうんだ。名前。
「知り合いっていうか、入学式のときにちょっと」
すると友里先輩は「そうなんだぁっ!」って可愛く手を叩くと
俊先輩の背中をポンッと押して
「この人ね、俊っていうの。いつも仏頂面だけどよかったら仲良くしてあげてねっ実紅ちゃん!!」
といった。
「あっいえ、こちらこそ」