16歳の迷子ちゃん
2人が戻ると私たちは席に着いた。
「いや~悔しいけどさ、まじで友里先輩と俊先輩お似合いじゃね?」
「やばいよね!美男美女でさっ羨ましい~~」
゛お似合い゛って言葉に
勝手に嫉妬して...あたしってばなんなの。
「てかさ、俊先輩と実紅知り合いなの?」
すると廉がそういって、あたしはハッと我に返った。
「まっまぁ...」
すると沙良は何かを察したのか、
大きく手を叩いた。
「えっもしかして゛王子様゛って俊先輩??!」
「うっ..うん」
「えっなに王子様?!教えろよー」
拓真が興味心身で身を乗り出してきた。
「実紅..あたし言うよ?」
「うんっ」
よかった...ちょっとのことで、
自分の口から言いにくかったから。
「...それで、実紅が俊先輩に一目ぼれしちゃったの」
最後まで言い終わると、あたしは下げていた顔をあげた。
なんか...廉と目を合わせたくなかったから。
「なるほど!」
「でっでもね、あたし友里先輩になんか叶わないっていうか、いいの。別に」
「けど俺、実紅でも変じゃないと思うぜ!なんせ噂の美少女だからさ」
「やっやめてよ拓真(笑)」
きっと冗談で言ってくれたその一言も
そのときは嬉しかった。
けど廉をふとみると、けして笑顔ではなくて
また胸が高鳴った。