16歳の迷子ちゃん
「付き合うよ」
そしてそう一言。
...え、...えっ?
「えっ..えと...」
まって、どういうこと。
あたしは頭の中が真っ白になった。
すると俊先輩は「相変わらずバカかお前、本屋付き合うって」と
少し笑ってあたしの頭を叩くと
するりとあたしの手から鞄をとって、先に歩き出した。
...う・そ。
まさか俊先輩があたしのために本屋についてきてくれるの?
えっ嘘...。
あたしが固まっていると数メートル先で立ち止まった俊先輩は
「早くこいよ」
そういった。
「あっ...はい!」
あたしは急いで駆け寄った。
「なに?行かなくていいの?」
俊先輩は横からあたしを見下ろす。
「えっいや、行きます!!」
「なら行くぞ」
こんなチャンス、逃すわけない。
あたしはドキドキ高鳴る胸をなでおろして
歩き出した。