16歳の迷子ちゃん
充実した毎日
「でね!王子様があたしを体育館まで連れてきてくれたの!!」
「えっすごい!!ドラマみたいじゃん!!」
あたしは目の前で大きな可愛い目を見開いてうなづく
沙良(さら)に全てを話した。
沙良は同じクラスで席が前後で、
さっき友達になったばかり。
ツヤツヤのショートカットに可愛い童顔。
なのにすらっと背が高くて
サバサバ男勝りな女の子。
ちなみに王子っていうのはさっきの彼。
きっと先輩なんだろうけど名前もなんにもわからないけど
なんか王子様みたいだから王子様って命名。
「けど実紅はなんで遅刻したの?」
「え!」
えと...迷子。なのかな
あたしは恥ずかしくて大事なところを話してなかった。
「んと...」
「もしかして迷子とか?!」
「えっえ!?!なんで!」
「...ほっほんとだったんだ!!うける実紅!天然」
「ちっ違う..そんなんじゃ」
顔を真っ赤にして戸惑うあたしを
沙良はバカにしてきた。
なんか嬉しい!入学早々こんなに話せる友達ができて!