性別「少年」属性「乙女」
いつのまにか、また眠っちゃったみたい。

だからきっと、夢を見た。

陸さんが、ボクのことを、じっと見つめている。
優しい、でも少しだけ寂しそうな目で。


「ごめんな、マコト。俺、マコトを苦しめるばっかりだった」


そんなことないよ、陸さん。


声も出せなくて、ボクは心の中で、答える。


陸さんに会えて、ボクは、幸せだよ。
陸さんと一緒にいるときは、いつでも、とっても幸せだった。
だけど。
大好きだけど、どうしても、ダメなんだ。
陸さんのせいじゃないのに。
誰のせいでもないのに。
でも、どうしても、受け入れられない。

だから、ボクが、陸さんを苦しめてるのかも、しれないよ。


「マコト。俺は、マコトのことが、ほんとうに大切なんだ。だから……マコトが望むことなら、なんだって、叶えるよ」


ボクの、望み?


「マコトが、俺に、兄さんでいてほしいっていうなら、もう、キスなんかしないから」






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