性別「少年」属性「乙女」
どうしてだろ。
ちょっと喋っただけなのに、息が切れる。

「マコト。あんまり、無理してしゃべらないほうがいい」

「そう、なの?」

「まこちゃん、手術したことは、覚えてる?」


ボクは、首を横に振った。
だって、目が覚めたらここだったから。

「手術、したんだ」

そんなに、大きな怪我だったのかな。

あの時は、そんなに痛くなかったけど。

「俺たち、先生から聞いたんだけどさ。マコト、肋骨が肺を傷つけてて、血が溜まってちょっと危なかったんだ。あと、頭を強くぶつけてるから、何か幻覚が見えたり、頭が痛かったりしたらすぐ言ってくれって。でも、手も足も折れていないから、うまくぶつかったほうだ、って、言ってたよ」


……うまく、って。
ちょっと、どんな先生か、顔が見てみたい、かも。


吉田が、なんだか泣きそうな顔で、それでも笑ってくれる。

きっと。
みっちゃんも、吉田も、とっても心配してくれたんだと思う。

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