性別「少年」属性「乙女」
「心配しすぎなんだ、マコトは。俺、ちゃんと親父と、話をしてただろ?」

「うん。……ごめんなさい。ボク、少しだけ、聞いちゃった。……嬉しかった。おじさんが、ボクのこと、かわいいって、思ってくれていたときもあったんだ、って、わかって」

ボクが言うと。

おじさんが、ちょっと驚いたように、ボクを見た。

「誠」

おじさんが、目を閉じて、小さく息を吐く。

「……許してもらえるとは、思ってないし、君にも、祐介にも、いまさら父親だと思ってもらう気もない」

「おい、親父」

「だけど、君は、俺を憎むことで救われるわけじゃなさそうだ。だから、正直に言わせてもらうよ」

おじさんが、椅子を引いて、ボクの横に、座る。

ボクを見る、優しい目。

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