性別「少年」属性「乙女」
夢うつつ
「……眠ったか」
おじさんの、小さな、優しい声。
聞こえてるけど。
でも、たぶん身体の方が眠っちゃったんだ。
ぜんぜん、動けない。
「ああ。さすがに無茶しすぎだ。こんな身体で、歩くなんて」
「不思議な、子だな。……どうしてだか、この子の前でだけは、いい人間でいたくなる」
「マコトのこと、さんざん殴ってきたくせに。よく言うよな」
「悪いこととは、わかっていた。誠が憎いわけでもなかった。それでも、止められなかった。……あの頃は、地獄だったよ。自分が、女子供を殴るような人間だと、それまで、知らなかった」
「……俺は、おやじに殴られたこと、ないもんな」
これ、夢なのかな。
もしかしたら、夢なのかも。
「祐介は、誠が、好きなのか?」
おじさんの、小さな、優しい声。
聞こえてるけど。
でも、たぶん身体の方が眠っちゃったんだ。
ぜんぜん、動けない。
「ああ。さすがに無茶しすぎだ。こんな身体で、歩くなんて」
「不思議な、子だな。……どうしてだか、この子の前でだけは、いい人間でいたくなる」
「マコトのこと、さんざん殴ってきたくせに。よく言うよな」
「悪いこととは、わかっていた。誠が憎いわけでもなかった。それでも、止められなかった。……あの頃は、地獄だったよ。自分が、女子供を殴るような人間だと、それまで、知らなかった」
「……俺は、おやじに殴られたこと、ないもんな」
これ、夢なのかな。
もしかしたら、夢なのかも。
「祐介は、誠が、好きなのか?」