性別「少年」属性「乙女」
え?

ようやくボクは、吉田がなんで怒っているのか、わかった。


「違うよ、吉田。ボクだって、有希ちゃんのことかわいいから、有希ちゃんのことなら、大切にできると思ったから。だから、約束したんだよ」

「じゃあ、まこちゃんは、有希ちゃんと結婚することになっても、いいんだ」


みっちゃんの、静かな、声。

なんだかその声に、ボクは何となくドキッとして、みっちゃんを見た。

みっちゃんが、ボクを、見ている。

笑顔を浮かべているのに、なんだか悲しそうな、目。


「どうしたの?みっちゃん」

「まこちゃん。ちゃんと、想像して。大きくなった有希ちゃんと結婚して、まこちゃんは、幸せになれるの?」

「みっちゃん」


想像して、って言われても。

大きくなった有希ちゃんなんて、ボク、想像できないよ。

でも。

きっと十年もしたら、ボクのことなんて忘れちゃうと思うけど。

もしも、そのときに有希ちゃんがまだ、ボクのお嫁さんになりたいって思ってたら。


ボクはちゃんと、約束を守って、有希ちゃんを笑顔にしてあげられると、思う。
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