性別「少年」属性「乙女」
「ただいま」


「おせーぞ、マコト」

「今、どこかで倒れてるかもしれないから、探しに行こうか、って言ってたんだよ」


そうっと、部屋のドアを開けると、吉田とみっちゃんに声をかけられた。

あれ?

ふたりとも、何もなかったみたいに、いつもどおりに笑ってくれてる。


「ごめんね。寄り道しちゃった。飲み物、買ったんだけど、ぬるくなっちゃった」

「そんなのかまわないって。それよか、大丈夫か?顔赤いぞ」

「え?赤くなってる?」

「外にいたんだ?まこちゃん。日焼けしちゃうくらい」


そんなに、長くいたのかな。


「マコト。散歩もいいけど、急に外に長く出ると、日射病になるから気をつけないと。病み上がりなんだから」

「大丈夫だよ、陸さん。多分もうすぐ退院できるみたいだよ」

「そうなのか?マコト」

「うん。新学期には間に合いそうだって、先生が言ってた」

「そうなんだ。よかったね、まこちゃん」


差し出した缶コーヒーを受け取りながら、吉田もみっちゃんも、普通に話してくれる。
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