性別「少年」属性「乙女」

兄弟

マコトのことだから、親友のふたりにはきっと話していると思ったけど。

やっぱり、ふたりとも俺がマコトの兄だと聞いても、驚いた様子はなかった。



マコトは、すべてを知った後、時間をくれと言った。

それから、全く連絡が取れなくなった。

メールを送っても、返事は一度も来なかった。


あの事故がなかったら、マコトはきっと、あのまま俺から離れるつもりだった。


今でもきっと、もしも俺がまた、マコトに好きだと言って、強引にキスをしたら。

マコトは、悲しそうに笑って、俺から離れていくだろう。


きっとマコトは、俺が兄だと知って、とても、苦しんだ。

だから。

もうマコトを苦しめたくないから。

それくらいなら、自分が我慢すればいいと、思った。


マコトの兄として、恋愛感情を封印して、接する。


それができると、思っていた。

今日まで。
< 334 / 525 >

この作品をシェア

pagetop