性別「少年」属性「乙女」

共犯者

明日の天気予報は、晴れ。
体育祭は、中止にならずに済みそうだった。


「なんだよ、話って」


林くんが、ちょっと不機嫌そうに、ボクに近づいてくる。
屋上の柵に、体育祭のボードをつけ終わって、ボクは振り返った。


「林くん、わざわざ来てくれたんだ」
「そりゃ、おまえが「後で話がしたい」なんて言ったら、他の奴に聴かれたくないんだろ」


ちょっと、意外だな。
林くん、ボクができたら内緒の話がしたいんだ、って、わかってくれたんだ。


「ありがとう、林くん」
「いいから、早く言えよ。俺だってまだやることあるんだからよ」
「うん。ごめんね。ボク、林くんにお願いがあるんだ」

< 435 / 525 >

この作品をシェア

pagetop