性別「少年」属性「乙女」
「ボク、走れるよ。今は、無理しないようにしただけだよ」
「そりゃ、いずれは走れるようになるだろうけどな。今日は無理だろ」
「大丈夫だよ。走れるから」


だって。
補欠から外されたら、本当に、走れる可能性が、なくなっちゃうよ。
きっと、僕の出番なんて、ないってわかってるけど。
ないほうがいいんだって、思ってるけど。

でも。
ボクが今日走らないっていうことは、陸さんのこと、あきらめるっていうことだから。
陸さんのこと忘れて、もう二度と会わないで、生きて行かなくちゃいけないってことだから。

そんなの、絶対に、いやだ。
ボクは、陸さんのこと、忘れたりなんか、できない。


「ねぇ、お願いだから。補欠でもいいから、ボクも、リレーに参加してたいんだ」
「なんで、そこまでこだわるんだよ。おまえ、強くなりたい、変わりたいって言ってたけどさ」
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