性別「少年」属性「乙女」

「親父」


林くんが、おじさん達を見つけて、近づく。
笑顔で林くんに向かって、手を上げてたおじさんが、ボクに気付いて立ち上がる。


「あ、こいつ、同じクラスなんだ。親父に会いたいっていうからさ」
「坊主……」
「あの、ありがとうございました。ボク、おじさんにお礼言いたくて、あと、謝らなくちゃ、って思ってて」


早口になっちゃったボクに、おじさんが、笑いかけてくれる。


「元気になったなぁ。座れ座れ」


手招きされて、ボクは、おじさんに促されるまま、おじさんが座ってた椅子に座った。


「なんだ、将のクラスメートだったのか。おまえ、何も言わないから」
「そんなん、言えるわけないじゃんかよ」
「お、おまえでも変な気を回すこともあるのか。意外だなぁ」
「うるせぇよ」


林くん、マサル、って名前なんだ。
仲のいい、親子なんだなぁ。