性別「少年」属性「乙女」

リレー

ボクが走ることになって。
吉田以上に、クラスのみんなが、心配してくれた。


「やめた方がいいんじゃないか?棄権だってできるんだしさ」


クラス委員長は、そこまで言ってくれた。


「大丈夫だよ。走れると思ったから、補欠でも引き受けたんだよ」
「何言ってるんだよ。佐野川がおとなしいから、みんなのノリで補欠にしちまっただけだろ。誰も、本気でおまえを走らせようなんて、思ってなかったさ」
「ありがとう。でも、ほんとに大丈夫だから。……走りたいんだ。ボク。ボクが走るせいで、負けるかもって、みんな心配だと思うけど。……でも、ボク、頑張るから」
「無理しなくていいんだぞ」


みんなが、口々に言ってくれる。
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