性別「少年」属性「乙女」
「まだ、苦しい?」


ボクは、首を横に振った。

でも。
こんなに暗いのに、見えるはず、ないよね。


「医者は、今回は大丈夫だって言ってたけど。だけど、こんな無茶させないように、って、言われたよ」
「お医者さん?」
「なんにも、覚えてないのか?」


陸さんの手が、ボクの頬にかかる。
その手に、そっと触れながら、ボクは頷いた。

「……マコトがさ、あの時、体育祭に来てくれって、言っただろう?走れるわけないって思いながら、マコトのことが心配で、たまらなかった。
マコトを傷つけたくなくて、幸せになってほしくて、離れたはずなのに。
それなのに、俺のせいでマコトが無茶したら、何の意味もない」


え……?
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