君の隣は…
そして佐伯の勝ち誇った笑みはまじでムカつくな…。
「ねぇ〜聞いてるぅ⁇」
どこかにトリップしていた俺を呼び戻したのは耳障りな女の猫なで声だった。
だから女は嫌いなんだよ。
てか俺こいつのこと知らねぇし…
なんで初対面の奴にこんな馴れ馴れしくされなきゃなんねぇんだよ。
あぁ〜あ、せっかく我慢してたのに結愛に会いたくなってきちまったじゃねぇか。
でもめんどくせえから一応ちゃんとしとくか…だりぃーけど。
「ごめんな、ちょっとトリップしてたわ」
「なにそれぇ〜、あたしぃ瀬田侑李[せだゆうり]ってゆうのぉよろしくねっ」
うぜぇ…ちょっと笑いかけただけで調子のんなっての…。
てめぇの名前なんて興味ねぇよ。
「あぁ、俺 香西大翔。よろしく。」
めんどくせえけどてきとーに相手をしておいた。
それからもうぜぇ女は次々に寄ってきて入学式が始まるまでずっとつきまとってきた。
女のせいでめちゃくちゃ悪かった俺の機嫌も新入生代表の結愛を見てすぐになおった。