Tea Time
大正時代のレトロ建築を生かした小じんまりした店内は、夜の八時半というのに数組の客がいた。
窓からはバラで有名な公園と、その横を流れる川が見える。
六人掛けの大きなテーブルに座って、オーダーする。
すでに夕食を済ませた彼女はケーキセット、俺と沢野さんはサンドイッチセットを注文した。
セットメニューにも関わらず、紅茶の銘柄を数種類の中から選べるようになっていた。
彼女がキーマンと言ったので、めったに銘柄を指定して飲んだことがないから、焦りながらもディンブラを選んだ。