僕の名を呼ぶ君の声



「え?」

「ほかには嫌いな食べ物ないの?」



今さっきまであどけなく笑ってた世那の顔は、真剣になっていた


「なんで?」

「美歌のこと、もっと知りたいから」





そんなこと、さらっと言わないでよ


準備できないじゃん

あたふたしちゃう、焦っちゃう、ドキドキしちゃうよ



「えっと、トマトかな」

「あとは?」

「まだ言わないとダメ?」

「全部言って?」

「んー、ナスとか嫌いかも」


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