僕の名を呼ぶ君の声



「間宮くんって中学どこですか?」

「俺は南中」

「じゃあ隣の学校ですね
あたし坂上中です」

「なら電車途中まで一緒か~」

「あっ、ほんとだ!」

「ハハッ、伊吹さんやっとタメ語になった」

「え?」

「ずっと敬語だったんだよ」

「あっ、ごめんなさい…」

「ほらまた」

「あ……」



いつのまにか、伊吹さんと普通に会話できてた


話しかけられた時は心臓が止まるかと思った




あのとき美歌が話しかけてくれなかったら、きっと謝れないままだった気がする


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