Rock'n roll
出会い

わからない

<恋> 
 特定の異性に深い愛情を抱いだき、その存在が身近に感じられるときは、他のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感・充足感に酔って心が高揚する一方、破局を恐れて不安と焦燥に駆られる心的状態。

<恋歌>
 異性を恋い慕う切ない気持ちを詠んだ歌。

<恋敵>
 恋の競争相手。ライバル。

<恋焦がれる>
 恋しくて、じっとしてられない気持ちになる。

<恋い慕う>
 抑えきれないほど、会いたい、そばに行きたいと思う。

<恋情>
 異性に惹かれ、一日でも会わずにはいられないと思う気持ち。恋心。

<恋着> 
 異性を恋する気持ちを一時たりとも忘れられないこと。

<恋愛>
 特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。


「はぁ~……」
「あんた、また調べてんの?懲りないね~」
「うん、調べたらめっちゃあるんだよ!こんなに多いと思わなかった…」
 恋をしたことがない高校2年生のナナです。本名は…内緒、かな?
 ううん。気にしないで?皆下の名前で呼び合ってる学校だから。
「恋、恋うるさいんだけど」
 ちょっぴり怒ってる様子のこの方。あたしの親友のユウ。小学校、中学校、高校とまったく同じなのだ。美人でスタイルよくってモテるんだよ~。
「だって恋してみたいんだもん!」
「はぁ!?あんたつい最近まで彼氏いたじゃん!」
 はい。恋したことがないと言ってるあたしですが…つい最近まで彼氏いました。
「振った。別に好きじゃなかったもん…」
「じゃぁなんで付き合ってたの…?」
「告白されて振ったんだよ?なのに向こうが好きじゃなくてもいいから!って言うから…。しかもしつこいから無理やり付き合ったの。」
「あっそ…。あんたモテるもんね~」
「そういうユウこそモテモテじゃん」
「あたしは別にー」
 あたしは生きてきた中で一度も恋をしたことがない。だから、人を好きになるって感じがまったくわからない。でも、芸能人とか好きになる“ファン”の気持ちならわかる。実際あたしが夢中になってる人が居るから。

 それは、今ロックの世界の中で一番人気のバンド…“ZERO”
 あたしはそのギターのヤスの大ファン!3年前にデビューしたんだけどファーストシングルからすっごく売れて、あたしの気になってたバンドだった。それでユウにすすめられてライブに一緒に行ったんだけど…ギターのヤスに一目惚れ♡♡♡シングルもアルバムも全部買ってる。あたしがこんなに人に夢中になるのにちょっと幻滅してたユウもZEROのドラムのTETSUの大ファン。二人してZEROの虜になってる。こんなに一人の男に夢中になってるあたしだけど、夢中になっても恋はしたことがない。異常なのかもしれないけど、よく初恋は実らないって言う。どこが異常かと言うと恋をして失恋をしてみたい。それに、ホントに惚れた男に告白してみたいし告白されてみたい。こんな体験をしてみたい。辞典で一生懸命恋を調べてみたけど、どれも今までに味わったことのない感情ばかり書いてある。不思議に思う単語ばかり書いてあってワクワクする。…やっぱりあたしって異常かも。

「ま、恋をしたいっていうのはわかるけど焦っちゃダメだよ。ナナのことだから絶対に焦ってんだろうけど…」
「え?別に焦ってはないよ。ワクワクしてるだけ~♪」
「ふ~ん…。 あ!最近ここらで有名なバンドがあるんだけど、あたしちょっと気になっててさー」
「有名?有名はバンドってZEROだけじゃないの?」
「馬鹿。バンドはZEROだけじゃないのよ!」
「え、そうなの?バンド名は?」
 そうなんだ…。バンドって他にもあるんだ…。ZEROしか眼中に入ってなくて全然気にならなかった。
「BAD BOYS」
「BAD BOYS?なんか…あんまカッコよくない名前だね…。」
「うん。でも、ボーカルがすごいんだって!」
「ボーカルだけ…?他は?」
「他のメンバーもZEROに並ぶほどの実力のある強者揃いだって!」
「…それは気になる。」
「でしょ!?だから、ライブのチケットとっといたの。一緒に行こう!」
「うん!」

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