磁石な関係
さっきよりももっと鋭い目つきで睨んでくるその顔は、俺の何に対しての睨みなのか。
考えたくもない。
もう10分という短い休憩時間が半分をきった。
「……邪魔だ。どけ」
生田目の身体に指一本触れぬように、身体を横にしてギリギリの隙間を抜けようとするも、
ダンッ
「…ッッ…‼︎‼︎…おい、テメェ」
「口答えすんな、T.Aのお荷物が」
同時に手首と首を持たれて、壁に打ち付けられた後頭部。
同じようにして背中も強く打ったらしく、呼吸が上手くできない。
いくら鍛えているといえ、同年代の男の馬鹿力で叩きつけられれば、誰しもこうなる。
「…ぅ、ゲホッ……おいっ、はなせっ」
「なんだその口は」
「……っうぇっ…‼︎‼︎」
より強く力を込められ、乱れるのは呼吸だけでなく、思考回路までも。
おまけに吐き気もしてきた。