桜崋
さっきぶつかったせいで自転車壊れてないのかな…
「? あー大丈夫大丈夫。アンタくれぇ細いと後ろ乗ったぐらいで壊れたりしねぇーって(笑)」
アタシが心配してたのはそこじゃないんですけど…
『心配してたのはそこじゃないんだけど…。』
「ん?何か言ったか?」
『なぁんにもッ!ヨイショっと。』
「はい、しゅっぱーつ!」
あーやっぱり田舎の空気はキレイでいいなぁ…
頬をなぞる風が気持ちいい…
気持ちよすぎてまたウトウトしてると、
「おい!後ろで寝んなよ?落ちたって知ったこっちゃねぇからな(笑)」
『わかってるよ!』
うん。
わかってる。
今落ちたら確実に頭から血だろう…
あぁ恐ろしい恐ろしい
「っしゃー到着っと。…って寝てんじゃねーか!」
『ん…? あっまたアタシ寝ちゃって…。』
「んだよ。落ちなくて良かったな。お前のバランス感覚に感動。」
『そりゃどーも。』
今のって褒められたんだよね?
『おばあちゃーん!ただいまぁ!』
「美桜ちゃん!遅かったじゃないか。心配したよ。」
『ごめんね。ちょっと河原で寝ちゃってて…。』
「ん?利玖も一緒なのかい。」
「うぃーす。」
『送ってくれたの。』
「そうかい。まぁ、お上がり。」