おとななこども
「ここが平岡さんの家ですか?」

会長が目の前にある我が家を見あげる。

「…そうですけど」

そう返したあたしの声はものすごく不機嫌だった。

会長に家を知られるなんて…一生の不覚!

「じゃあ」

ショックを受けているあたしに、会長は自転車に乗った。

「また明日、学校で」

そう言って笑った後、会長は自転車を走らせたのだった。

だんだんと見えなくなる会長の背中。

「…なんて日だッ!」

会長の背中が見えなくなった後、あたしは大きな声で叫んだ。

近所迷惑どうこうなんてこの際関係ない!
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