おとななこども
「しばらく動かさないで、保冷剤で冷やしてください。
今、職員室に行って先生呼んできます」
そう言って保健室を出ようとしたあたしに、
「桃さん、大丈夫ですか?」
と、聞いてきた。
「はっ?」
あたしは首を傾げる。
文化祭以来、あたしは会長から“桃さん”と呼ばれている。
この前までは“平岡さん”だったのに。
「笹野さんから聞いたんですけど」
委員長の名前は笹野ひなの(ササノヒナノ)だ。
会長は心配そうな顔をして、
「膝を擦りむいたって」
と、言った。
委員長のおしゃべり。
擦り傷なんてたいしたことないって言うのに。
「擦り傷くらい、たいしたことないです」
そう言って保健室を出ようとしたら、
「僕が自分で呼んできます」
会長が保健室を出ようとした。
今、職員室に行って先生呼んできます」
そう言って保健室を出ようとしたあたしに、
「桃さん、大丈夫ですか?」
と、聞いてきた。
「はっ?」
あたしは首を傾げる。
文化祭以来、あたしは会長から“桃さん”と呼ばれている。
この前までは“平岡さん”だったのに。
「笹野さんから聞いたんですけど」
委員長の名前は笹野ひなの(ササノヒナノ)だ。
会長は心配そうな顔をして、
「膝を擦りむいたって」
と、言った。
委員長のおしゃべり。
擦り傷なんてたいしたことないって言うのに。
「擦り傷くらい、たいしたことないです」
そう言って保健室を出ようとしたら、
「僕が自分で呼んできます」
会長が保健室を出ようとした。