おとななこども
「あの、じっとしてないと…」

会長を止めようとしたあたしに、
「桃さんのケガの方がずっと心配です」

逆に会長に止められた。

あたしが止めるのを聞かずに、会長は保健室を出た。

「擦り傷なんてたいしたことないのに…」

あたしは小さく呟いた。

と言うか、会長のつき指の方がよっぽど心配だと言う話だ。

あたしは足だけど、会長は手だ。

しかも右である。

数分後、会長が先生を連れて保健室に戻ってきた。
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