おとななこども
その日の放課後もあたしは部活に顔を出した。

「はい、1球!」

「はーい!」

「2球!」

「はーい!」

練習をしていたその時、フェンス越しに会長がいることに気づいた。

「どうしたの?」

マリエが不思議そうに声をかけてきた。

「ううん、何でも」

あたしは首を横に振って、
「はい、3球!」

何事もなかったように練習を続けた。

そう言えば今日は火曜日だったことを思い出した。

当然、会長が所属している華道部は休みだ。
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