おとななこども
ズキッ…

立った瞬間、右足首が悲鳴をあげた。

さっきの効果音は、右足をひねった音だったらしい。

悲鳴をあげている足を動かしながら、あたしはベンチに戻った。

「桃さん、今のすごかったです!」

興奮気味の会長があたしを迎えてくれた。

マリエには悪いけど、褒められて悪い気はしない。

しかし…右足は悲鳴をあげている。

試合はまだ途中だ。

まだどちらにも点は入っていない。

「次のバッター、桃だよ」

委員長にバットを渡された。
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