おとななこども
痛い!

痛い!

痛い!

足の痛みに耐えることができなくて、あたしは一塁に倒れ込んだ。

一塁を踏んだ…って言うか、手でさわったと言った方が正しい。

「セーフ!」

審判が言った。

足がズキズキと、脈打つように悲鳴をあげている。

あたしは立ちあがった。

一塁を足で踏んで、次のバッターの様子をうかがった。

「タイム!」

誰か…と思ったら会長が言った。

今ので何かおかしいところあったか?

痛む足をこらえながら一塁へ走っていたあたしにはよくわからないけど。
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