おとななこども
それから冷蔵庫から保冷剤を出すと、
「右足…でしたよね?」

あたしに確認した後、保冷剤をあたしの右足首に置いた。

「…会長?」

まだ怒ってないかどうかの確認をするため、あたしは会長を呼んだ。

「全く、あなたは無理ばっかりして…」

呟くようにそう言った会長に、あたしは口を閉じた。

やっぱり、まだ怒りは収まっていないらしい。

会長から目をそらすように伏せたあたしに、視界が急に狭くなった。

会長に抱きしめられたせいだ。

「さっきは怒鳴って、悪かったです」

耳元で会長がささやくように言った。
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