おとななこども
「先生曰く、ねんざだって」

あたしが返すと、委員長はホッと胸をなで下ろした。

「って言うか、ケガしたならケガしたって言ってよねー」

頬をふくらましながら言った委員長に、
「ごめんごめん」

あたしは謝った。

「あの、笹野さん」

あたしたちの間を入るように、会長が委員長を呼んだ。

「んっ?

何?」

委員長が返事する。

「桃さんの代わりに僕を試合に入れてくれます?」

会長が言った。

「はい?」

あたしは言った。
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