おとななこども
あれ、美味しそうだなあ。

じっと屋台を見つめているあたしに、
「買ってきましょうか?」

会長がそう言って手を離した。

「あっ…」

会長はクレープの屋台へ向かって走って行った。

残されたあたしはその場にいて会長が戻ってくるのを待った。

その時だった。

「君1人?」

その声に視線を向けると、チャラそうな男だった。

大学生…くらいだろうか?

「いえ、1人ではないです…」

ヤだなあ…。

何か、ヘンな人に声かけられたよ…。

チャラ男から逃げるように目をそらした。
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